インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
噂には聞いていたけれど超インドア派の私と尚史がここに来たのは初めてだったので、あまりの人の多さに困惑しながらも、はぐれないようにしっかりと手を繋いで歩き、ターゲットの後をついて運良くカフェレストランに入ることができた。

私と尚史にはあまり縁のないおしゃれな店だったので少し怯みそうになったけれど、海の見えるテーブル席に案内され、すぐ近くの席に座っていたカップルの真似をしておすすめパスタセットを注文した。

尚史と向かい合って海を眺めつつ、さっき思い出した子どもの頃の話をしながら食べたパスタはとてもおいしかった。

食後のコーヒーを飲み終わると新たなターゲットを決めて、そのカップルに続いてカフェを出た。

尚史はなんのためらいもなく私の手を握り、ターゲットの後を追う。

手を繋いで歩くのはやっぱり照れくさいけれど、駅での出来事を考えると、はぐれないようにするにはこれが一番だと思う。

ターゲットのカップルを追ってたどり着いたのはショッピングエリアだった。

服や靴、アクセサリーや生活雑貨などのショップがズラリと並んでいる。

「どの店に入るんだろうな」

「私たちも同じ店に入る?」

「とりあえず入ってみよう」

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