インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
インテリアも客層も、どことなく優雅で落ち着いた雰囲気だ。

「この階、お客さん少なくない?」

「ホントだ。どんな店があるんだろ?」

ターゲットのカップルはにこやかに笑いながら、大きなショーウィンドウのある店舗に入っていく。

そのショーウィンドウの中にはゴージャスで真っ白いドレスが飾られていた。

「わぁ……きれいなドレスだね」

「あれ?これってもしかして……」

尚史は店舗の入口にある看板を確認して立ち止まる。

「モモ、ここブライダルサロンだって」

「えっ、ブライダルサロン?ってことはこのドレス……」

「ああ……ウエディングドレスだな、間違いなく」

ターゲットはどうやら結婚を控えたカップルだったようで、なんのためらいもなく店の中に入り、仲良くウエディングドレスを見て目を輝かせている。

ここも撤収かと思ったら、尚史は私の手を引いて店の中に入ろうとした。

私はあわてて尚史の手を強く引っ張りそれを止める。

「ちょっと待って、入るの?」

「ちょうどいいから話だけでも聞いてみたら?」

「でも……まだなんの見通しも立ってないし……」

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