インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
余計な注目を集めてしまったことで恥ずかしさが込み上げてくる。

私は顔を真っ赤にしながら、尚史の手を両手で思いっきり掴んで振り払った。

「痛いよ!もう大丈夫だから離して!」

「ごめんって」

尚史は楽しそうに笑って、今度は私の頭を撫で回す。

恥ずかしい……。

どさくさにまぎれてめっちゃ顔こねくり回されるし、頭は撫で回されるし、端から見たらただのバカップルだ……。

それにあろうことか、尚史にキスされるかもと思ってしまうなんて、ホントにどうかしてる。

尚史が私にそんなことするわけないのに。

尚史ってこんなんだっけ?

それにこんなに大きかった?

もう子どもじゃないし背が高いのはわかっているけど、それは背の高さ云々の問題ではないような気がする。

なんにせよ私ひとりではどうしようもないし、ここは気を取り直して尚史の言う通りニコニコしていよう。

スタッフが試着室から尚史の鞄を持って戻って来ると、尚史は鞄からスマホを取り出しスタッフに撮影を頼んだ。

何枚か写真を撮ってもらったあと、試着室に戻りスタッフに手伝ってもらって着替えを済ませた。

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