インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
余裕なんてあるわけがない。

内心はめちゃくちゃ戸惑っているし、何がなんだかわけがわからない状態だ。

そんなのきっと尚史にはバレバレなのはわかっているけれど、私は必死でそれを隠そうと目をそらした。

尚史は海の方を見ながら、私の手をギュッと握る。

私はまた予想外の尚史の行動に驚き、そらしていた目を大きく見開いて尚史の方に顔を向けた。

「俺、考えたんだけど」

また何かとんでもないことを言うつもりなのか?

これまでこんなことはなかったはずなのに、今は尚史の考えていることがさっぱりわからない。

「う、うん……何?」

「もし八坂さんと付き合うことになったとしてさ、すぐに結婚しようって言わせるくらい惚れさせる自信ある?」

女子力0の私にそんな魅力があるとは、自分でも思えない。

ましてや相手はあのいかにもモテそうでリア充の代表みたいな八坂さんだ。

『光子おばあちゃんの望みを叶えるために結婚する』と意気込んだものの、結婚どころかお付き合いできるかどうかもわからない。

もし運良く付き合えたとしても、いきなり『結婚してください』とお願いしたところで、まともに取り合ってはもらえないだろう。

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