インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
まさかこんな展開になるとは思いもしなかったけれど、この作戦は不安を抱えつつ次のステップに進むことになったようだ。


それから新たなターゲットのあとを追って入った中華料理店で夕食を済ませた。

「夕食も済んだことだし、そろそろ帰る?」

「そうさなぁ……。もう少し遅くなってもいいなら、もう一組くらい追ってみようか」

「いいよ、別に急いで帰る必要ないし」

店を出ようとしているカップルをターゲットに決めて会計を済ませ、少し間隔を空けてあとを追った。

尚史は当たり前のように手を繋いでいる。

今日一日で私も手を繋ぐことには少し慣れた。

仮想カップル作戦を始めたときは手を繋いで歩ければミッションクリアだと思っていたのに、体に触れられることに慣れる練習までするなんて、冷静になって考えてみたらおかしなことになっている。

海辺のベンチでその話をしてからは、尚史が私の知っている幼馴染みの尚史じゃないようで、なんとなく落ち着かない。

付き合いがめんどくさいとか続かないとか言っていても、恋人同士の過ごし方を無知な私に教えられるくらいには経験があるんだろう。

< 154 / 732 >

この作品をシェア

pagetop