インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
年齢を考えるとそれはまったく不思議なことではないし、むしろ健全な成人男性なら当然だと思う。

だけどなんとなくモヤッとするのは、今までそんなそぶりを見せたことも話したこともないのに、尚史が男であるというわかりきった現実をいきなり突き付けられたからだろう。

要は『幼馴染みの尚史』がいつの間にか一人で大人になっていたことに軽くショックを受けたと、そういうことだ。

「モモ、仏頂面してどうした?」

「なんでもない」

「シーサイドガーデン出てからけっこう歩いたけど、どこに行くんだろうな」

考え事をしていたので今まで気付かなかったけれど、ターゲットは手を繋いで国道沿いを歩き、駅とは反対の方向に向かっているようだ。

もしかしてターゲットはこの辺りに住んでいて、これから家に帰ろうとしているのかとも思ったけれど、先の方に見えるのは住宅地ではない。

国道沿いに並んでいるのは飲食店やガソリンスタンド、自動車販売店、大型書店、リサイクルショップ、カラオケボックスなど、店舗や会社がほとんどだった。

あまり駅から遠く離れてしまうと、二人とも土地勘がないので迷ってしまうかも知れない。

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