インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「さっきから思ってたんだけど……もうはぐれる心配はないし、手は離してもいいんじゃない?」

「今はカップルだから、これがデフォ」

「さようでございますか……」

尚史は設定にこだわるタイプなのか、手を離すどころか指を絡めて手を繋ぎ直した。

おおぅ……これが巷でよく見かける『恋人繋ぎ』というやつか……!

さっきよりも手のひらが密着して、逃がさないと言わんばかりにがっちりと捕らえられているような気がする。

まさか尚史とこんな風に手を繋ぐ日が来るとは!

私は照れくさくてしょうがないのに、尚史は平然としている。

ここまで来ると何を言っても無駄なようだ。

「なんか今日はターゲットを追うことに必死で、あんまりモモの顔見てなかった気がする」

「確かにそうだね。私も尚史の顔見てる余裕はあんまりなかったな」

よそのカップルがデートしているときの様子とか、どんな店に行くのかはなんとなくわかったけれど、ただひたすらターゲットを尾行していただけで、全体的にデートらしくはなかったようにも思う。

「よし、明日は仕切り直しだ。どこに行って何するか自分たちでプランを立ててデートしよう」

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