インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
だけど照れくさくて恥ずかしくて、おまけに言われ慣れないことばかり言われたせいか、鼓動がめちゃくちゃ激しくなって、息切れまで起こしそうになった。

私は下を向いて激熱になった顔を両手で覆い、ゆっくりと深呼吸をした。

「…………ごめん、もう勘弁して」

「何が?」

「恥ずかしいの、そんなこと言われ慣れてないから」

「ふーん、そうなんだ?」

そうなんだ、って……そんなの尚史だってわかりきってることじゃないか。

だいたいヲタクの私なんぞにそんな激甘な言葉をかけてくれる神のような人なんて、一体どこを探せば見つかるって言うんだ。

てっきりもうやめてくれるのかと思ったら、尚史は私を抱き寄せて私の頬に頬をくっ付けた。

「じゃあこれからは聞き飽きるくらい毎日言う。可愛いよ、モモ」

尚史は耳に唇が触れそうなほどの近さで囁いたあと、もう一度頰擦りをして、その手から私を解放する。

尚史の豹変ぶりがあまりにも衝撃的すぎて言葉も出ない。

マジで誰これ……?

溺愛系のイケメンの霊にでも取り憑かれてんのかな?

「明日の朝、モモが出掛けたい時間の1時間くらい前に電話して」

「は……はひ……」

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