インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「私トーク送れなかったのに……なんで知ってるの?」

「ん?俺はモモのことならなんでも知ってるからな」

「嘘ばっかり……。昨日だってうちのお母さんから聞いたんでしょ?」

「バレたか。まあ、昨日も今日も久美子さんから聞いたんだけどな」

ゆうべの別れ際に電話すると約束していたのに、いつになっても私から連絡が来ないのでおかしいと思い電話してみたと尚史は言った。

ああ、なるほど。

あのゲームのBGMは私のスマホの着信音だ。

尚史からの電話がかかってきたときに鳴っていたのか。

だけど私が電話に出なかったので、直接家に行ってみようと家を出たところで車に乗ったうちの両親に会ったそうだ。

尚史が手を振ると父が車を止めて窓を開けたそうで、一緒に光子おばあちゃんのお見舞いに行く約束をしているのに電話をしても私が出ないことを話すと、『モモ、熱出して寝てるの。私たち帰りが遅くなりそうだから、あとでちょっと様子見に行ってやってくれる?』と母から家の鍵を渡されたらしい。

尚史がここにいる理由はわかったけれど、いくら幼馴染みとは言え、嫁入り前の娘がひとりで寝ている家の鍵を渡すとは……。

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