インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
確かにひとりだと心細いし、誰かがそばにいてくれるのは心強いとは思う。

だけど気にせず寝ていろと言われても、寝顔を見られるのはやっぱり恥ずかしい。

……いや待てよ。

尚史は私が目を覚ます前からこの部屋にいたし、汗まみれの寝顔をとっくに見られているのか!

って言うか、一体いつから尚史はここにいたんだろう?

「ところで今何時?」

私が尋ねると尚史はスマホをポケットから出して時間を確認した。

「1時過ぎだな」

「そんな時間?いつからここにいたの?」

「えーっと……11時前かな」

なんと、2時間も前からここにいたのか!

これはもう、いやーん寝顔見られちゃった!とか言うレベルじゃない。

「そんなに前から……?起こしてくれたら良かったのに」

「よく寝てたから。具合悪いのに起こすのかわいそうだし」

「すっぴんの寝顔をじっと見られてるより、叩き起こされた方がマシだったような気がするんだけど……」

「いまさらだろ?モモの寝顔見るの初めてじゃないし、すっぴんなんか見慣れてるし気にするなって」

確かにそうかも知れないけれど、起きているときに素顔を見られるのと寝顔を見られるのとではわけが違う。

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