インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「また熱上がるから怒んなって。そうだ、モモの好きなお高いアイス買ってきたけど、食う?」

「……食べる」

なんとなく餌付けされている感が否めないけれど、普段は安いアイスで我慢しているから、お高いアイスをおごってもらえるのは素直に嬉しい。

体調を崩して弱っているときはなおさら嬉しいものだ。

尚史は1階に下りてアイスとスプーンを手に戻って来て、それをテーブルの上に置いて私の方を見た。

私がなんとか自力で起き上がろうとしていると尚史は私のすぐそばに近付き、覆い被さるようにして私の首の後ろに手を回す。

なんの前触れもなく抱きしめられるような格好になってしまい、身体中の血が一気に沸き立つような感覚を覚えた。

ただでさえ高い体温がまた上がったのか、さっきよりもさらに頭がボーッとする。

えっ……何これ?!

もしかして突然発情して妙な気を起こしたとか?!

よりによってなんでこの状況で?

もし今何かされたとしても、熱のせいで私が抵抗できないって、尚史もわかってるはずなのに!

まさかそれを狙ってのことか……?

尚史め、病人相手に変なことはしないと言っていたくせに……!

< 180 / 732 >

この作品をシェア

pagetop