インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私が真っ赤な顔をして頭の中をぐるぐるさせていると、尚史はゆっくりと私の体を抱き起こし、腰の後ろにクッションを置いた。

「これで少しはラクに座ってられるかな。つらくないか?」

「ああ……うん、大丈夫……」

なんだ……私を起こそうとしてくれていたのか。

尚史がまぎらわしいことをするから、また良からぬ勘違いをしてしまった。

『部屋に二人きりでくっついたり抱きしめたりする』なんてことを言われてあの体勢を取られたら勘違いするのも仕方がないと思うし、意識するなと言う方が無理な話だと思う。

私がうろたえているのを知ってか知らずか、尚史はやっぱり平然として私の頬に手を当てた。

「わっ、思ってた以上に熱いな。顔真っ赤だけど大丈夫か?」

「えっ?ああ……うん……」

「また熱上がったのかな?先に熱計ろうか」

枕元に置いてあった体温計を渡されて熱を計ると38度9分まで上がっていた。

これも尚史のせいなんだとすると、そばにいられるたら治るものも治らないんじゃ……?

「アイス食べ終わったらおでこのシート貼り替えてやるよ。モモはラムレーズンが好きだけど、今日は体調悪いからバニラにした。ラムレーズンはまた今度、元気になったらな」

「うん……ありがとう」

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