インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
看病してやるとは言われたけど、まさかこんなことまでしてもらうことになるなんて……!

裸を見られたわけでも直接肌を撫で回されたわけでもないのに、とにかく無性に恥ずかしくて顔を上げられない。

「じゃあ体拭いて着替えて。替えのパジャマは?」

「ここにあるから大丈夫」

「俺ちょっと腹減ったしコンビニ行ってくる。なんか欲しいもんあったらついでに買ってくるけど?」

「今は特に……」

うつむいたままで答えると、尚史は私の頭をポンポンと軽く叩いて立ち上がった。

「そっか。そんじゃ行ってくるわ」

「うん……」

尚史が部屋を出て、ひとりになってようやく私はまともに息ができた。

大きく息を吸って吐いて、何度かそれをくりかえしたあと、なぜか大きなため息がもれた。

ただ背中を拭いてもらっただけでこんなに緊張してドキドキしているのに、直に体に触れられたら私はどうなってしまうんだろうか。

ものすごくドキドキしながら身を委ねるのか、もしかしたらやっぱり怖くなって、全力で拒んでしまうかも知れない。

< 190 / 732 >

この作品をシェア

pagetop