インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「そうそう……尚史くん、この間はモモの看病してくれてありがとう」

母がなんの前触れもなく日曜日の話をしたので、驚いた私は手に取ったばかりのスプーンを落としかけた。

尚史は平然としてプリンを口に運ぶ。

「別にたいしたことしてないから」

「そう?でも熱が高くて心配だったから、尚史くんがついててくれて助かったわ」

「それはどうも」

なんともない会話のはずなのに妙に気まずくて、とても生きた心地がしないよ……!

せっかくのプリンの味もよくわからない。

何かもっと別の話題にすり替えようと思ったのに、こんなときに限ってなんにも思い浮かばないなんて……!

私がこんな思いをしていると言うのに、尚史は涼しい顔をしてプリンを平らげた。

ここにもいたよ……鋼のメンタルの持ち主が。

「ごちそうさま」

「はい、お粗末様」

尚史だけでなく、母も至っていつも通りだ。

私が気にしすぎなのかな?

「モモ、食べ終わったら部屋に行ってゲームやろう。この間失敗したクエスト、今日こそクリアするぞ」

「え?ああ……うん、いいよ。ちょっと待ってね」

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