インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「責任って……。尚史が責任取る必要なんか、なんにもないのに」

「まぁ、実際まだなんにもしてないしな。それでも責任取れって言うなら取るけど」

……は?まだって何?

それで責任取るってなんなの?

ただの言葉の綾なのか、ひそかに私をどうにかしようと思っているのか、尚史の考えていることもさっぱりわからない。

その真意を問いただすべきなのか、ここはあえてスルーするべきか。

私がそんなことを考えているとは思いもしないのか、尚史はしれっとした顔でテレビとゲーム機の電源を入れて、コントローラーを私に差し出した。

「久美子さんにもああ言ったことだし、せっかくだから今日はゲームやろうか」

「いいね、やろうやろう」

「今日こそ悪の化身の使い魔を倒すぞ」

「うん、絶対倒そう!」

先週の木曜日に仮想カップルを始めてから今日でまだ6日目なのに、一緒にゲームをするのはすごく久しぶりのような気がする。

レストランで食事するのもカフェでお茶を飲むのも、手を繋いで歩くのにも少しは慣れてきたけれど、やっぱり尚史とはこうしているのが何より楽しいし、一番落ち着く。

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