インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
極度の緊張に耐えかねた私は、尚史の腕の中からなんとか逃れようと必死でもがいた。

「いい加減離せぇー!」

「離さん!このまま城に戻って王家の宝をゲットだ!」

こんな状態でもゲームをしているときの尚史は本当に楽しそうだし、とてもイキイキしている。

そこが子どもの頃から全然変わっていないせいか、なんとなく憎めない。

「じゃあせめて頬擦りはやめれ」

「しかたないな、じゃあ頬擦りだけはやめてやる」

移動の呪文と空の移動手段が使えない呪いのかかったエリアなので、ウダウダ言いながらも陸路と航路でなんとか城に戻り、ご褒美の王家の宝をゲットしてセーブした。

「そろそろいい時間だし、今日はこの辺でやめとくか」

「そうしよう」

ゲームを終了してようやく尚史の腕から解放された私は、ホッとして大きく息をついた。

それでも私の心臓はまだドキドキと大きく脈打っている。

「俺とくっつくの、まだ緊張する?」

「そりゃそうだよ。そんなに簡単には慣れないもん」

「じゃあもっとスパルタでいくしかないな」

これ以上スパルタでって、一体私をどうするつもりだ?

もうじゅうぶんスパルタなんだけど!

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