インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「勘弁してよ……。そんなの身が持たない」

「これくらいでへばってどうするんだよ。付き合ったらもっといろいろするのに」

「いろいろって……それはそれで、なんとかなるでしょ」

「それはモモ次第だな。さて、じゃあこれ飲んだら帰るわ」

そう言って尚史は、ペットボトルに残っていたコーラを飲みながら鞄に手を伸ばした。

そして鞄の下に本屋の袋があることに気付き、それを私に差し出す。

「自分の鞄と一緒に持ってきたけど、これモモの荷物だった」

「ああ……うん、ありがとう」

そうだ、いろいろあってまたしてもすっかり忘れていたけれど、待ちに待ったあの漫画の新刊を買って来たんだった!

今すぐ読みたいのを少しだけ我慢して、尚史が帰ったらお風呂に入って、寝る前にベッドでゆっくり読むことにしよう。

「で、なりゆきでどんな本買ったの」

「本命の漫画をカモフラージュするために、ファッション雑誌を数冊」

買ってきた本を袋からまとめて取り出すと、例の過激な見出しの雑誌が一番上に乗せられていた。

< 218 / 732 >

この作品をシェア

pagetop