インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
その一番後ろに見慣れた尚史の顔を見つけてズッコケそうになった。
女性との出会いにはまったく興味のなさそうな尚史でも、人並みに合コンに参加したりするのかと意外に思っていたら、尚史はすぐ前を歩いていた同僚の腕をガシッとつかんだ。
「……何これ?俺、合コンなんて聞いてないけど」
さすがに先に席に着いて待っている女子たちに聞こえると悪いと思ったのか、尚史は小声で文句を言っている。
どうやら合コンとは知らされずにここに来たらしい。
この同僚たちは尚史に合コンだと言うと即答で断られるとわかっていたからそうしたのだろう。
「え?いや、ただの食事会だけど?交流会的な?」
「どう見ても合コンじゃんか。面倒だから帰る」
尚史がつかんでいた腕を離して踵を返そうとすると、今度は詰め寄られていた同僚が尚史の腕をつかんだ。
「そんなこと言わずに頼むよ中森、今日だけだから!もちろん俺らがおごるし!」
あまりにも必死に頼み込む様子に尚史は呆れた顔をしてため息をついた。
「……飯食って適当に帰るけど、それでもいいなら」
「いや、せめて一次会が終わるまで!明日の昼飯も……なんなら明後日の昼飯もおごるから頼む!」
「わかった、その約束忘れんなよ」
女性との出会いにはまったく興味のなさそうな尚史でも、人並みに合コンに参加したりするのかと意外に思っていたら、尚史はすぐ前を歩いていた同僚の腕をガシッとつかんだ。
「……何これ?俺、合コンなんて聞いてないけど」
さすがに先に席に着いて待っている女子たちに聞こえると悪いと思ったのか、尚史は小声で文句を言っている。
どうやら合コンとは知らされずにここに来たらしい。
この同僚たちは尚史に合コンだと言うと即答で断られるとわかっていたからそうしたのだろう。
「え?いや、ただの食事会だけど?交流会的な?」
「どう見ても合コンじゃんか。面倒だから帰る」
尚史がつかんでいた腕を離して踵を返そうとすると、今度は詰め寄られていた同僚が尚史の腕をつかんだ。
「そんなこと言わずに頼むよ中森、今日だけだから!もちろん俺らがおごるし!」
あまりにも必死に頼み込む様子に尚史は呆れた顔をしてため息をついた。
「……飯食って適当に帰るけど、それでもいいなら」
「いや、せめて一次会が終わるまで!明日の昼飯も……なんなら明後日の昼飯もおごるから頼む!」
「わかった、その約束忘れんなよ」