インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
その拍子に鞄のポケットから落としてしまったメモ帳を拾い上げたとき、エレベーターホールからビルの正面玄関に向かう尚史を見掛けた。
尚史は目が悪いから、私がここにいることには気付かないだろう。
今日は私との約束がないからまっすぐ家に帰るのか、それとも久しぶりにキヨの店にでも行くのかな。
そんなことを思いながらぼんやり眺めていると、その後ろから谷口さんが走って追いかけてきて、尚史に声をかけた。
何を話しているのかはよく聞こえないけれど、谷口さんは宣言通りガンガン攻めているらしく、尚史はその勢いに圧倒されてジリジリと後ずさる。
困り果てた顔をして誰かに助けでも求めるつもりなのか、辺りをキョロキョロ見回している尚史と目が合ったような気がした。
その瞬間、尚史は谷口さんの方を向いて何か言葉を発し、谷口さんが大きくうなずいた。
そして二人並んでビルを出ていった。
あれ……?
もしかして谷口さんの強烈なアタックが決まった?
それって……尚史は谷口さんと付き合うってこと……?
あまりにも意外な展開に呆然としていると、急ぎ足でこちらに歩いて来た八坂さんが、私に向かって軽く左手をあげた。
尚史は目が悪いから、私がここにいることには気付かないだろう。
今日は私との約束がないからまっすぐ家に帰るのか、それとも久しぶりにキヨの店にでも行くのかな。
そんなことを思いながらぼんやり眺めていると、その後ろから谷口さんが走って追いかけてきて、尚史に声をかけた。
何を話しているのかはよく聞こえないけれど、谷口さんは宣言通りガンガン攻めているらしく、尚史はその勢いに圧倒されてジリジリと後ずさる。
困り果てた顔をして誰かに助けでも求めるつもりなのか、辺りをキョロキョロ見回している尚史と目が合ったような気がした。
その瞬間、尚史は谷口さんの方を向いて何か言葉を発し、谷口さんが大きくうなずいた。
そして二人並んでビルを出ていった。
あれ……?
もしかして谷口さんの強烈なアタックが決まった?
それって……尚史は谷口さんと付き合うってこと……?
あまりにも意外な展開に呆然としていると、急ぎ足でこちらに歩いて来た八坂さんが、私に向かって軽く左手をあげた。