インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「腹ごなしに少し散歩でもしてから帰るか」
「うん」
尚史はいつものように私の手を握り、公園のある方へ向かって歩きだした。
子どもの頃に日暮れまで夢中になって遊んだ公園は、夜になると人の気配がなくとても静かで別の場所のようだ。
あの頃は大きく見えた遊具も、大人になった今の私たちにはどれも小さく感じる。
尚史は私の手を引いてベンチに腰を下ろした。
私も同じように尚史の隣に座る。
「なぁ、モモ」
「ん?なんだね、尚史くん?」
「今日さ……会って来たんだろ、八坂さんと」
「……うん、会ったよ」
私はさっきまで八坂さんと会っていたことを、尚史と一緒にチャーシュー麺を食べているうちに半分ほど忘れかけていた。
だけど尚史の口から八坂さんの名前が出た途端、八坂さんが転職を機に結婚を考えていることや付き合おうと言われたこと、肩を抱かれて好きだと言われたことを次々と思い出し、別れ際に感じたあの不快な感覚が蘇って身震いする。
八坂さんとの間にあったことを詳しく聞かせろと尚史から言われていたけれど、どういうわけかあまり話したくない。
「うん」
尚史はいつものように私の手を握り、公園のある方へ向かって歩きだした。
子どもの頃に日暮れまで夢中になって遊んだ公園は、夜になると人の気配がなくとても静かで別の場所のようだ。
あの頃は大きく見えた遊具も、大人になった今の私たちにはどれも小さく感じる。
尚史は私の手を引いてベンチに腰を下ろした。
私も同じように尚史の隣に座る。
「なぁ、モモ」
「ん?なんだね、尚史くん?」
「今日さ……会って来たんだろ、八坂さんと」
「……うん、会ったよ」
私はさっきまで八坂さんと会っていたことを、尚史と一緒にチャーシュー麺を食べているうちに半分ほど忘れかけていた。
だけど尚史の口から八坂さんの名前が出た途端、八坂さんが転職を機に結婚を考えていることや付き合おうと言われたこと、肩を抱かれて好きだと言われたことを次々と思い出し、別れ際に感じたあの不快な感覚が蘇って身震いする。
八坂さんとの間にあったことを詳しく聞かせろと尚史から言われていたけれど、どういうわけかあまり話したくない。