インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
八坂さんは獣のように私に覆い被り、私の胸元に口付けながら太ももに手を這わせ、下着をずらそうとした。

ダメダメダメダメ!

そんなとこ尚史にも誰にも触らせたことないのに!

私はなんとか八坂さんから逃れようと足をバタつかせる。

「イヤッ!触らないで!!」

「大丈夫だよ、ちゃんと痛くないように可愛がってあげるから」

精一杯抵抗しても力では男の八坂さんに敵わない。

『すぐに結婚できれば誰でもいい』なんて甘く考えていたけれど、好きでもない人に自由を奪われて体を触られるって、こんなに怖いことだったんだ。

怖くて気持ち悪くて泣きながら必死で身をよじったとき、玄関のドアが開く大きな音がした。

八坂さんは私の体の上で驚いて身を起こし、玄関の方を振り返る。

「えっ、遥香?!なんでここに……」

八坂さんがあわてた様子でそう呟くと、背の高いきれいな女の人がツカツカとこちらに近づいてきてテーブルの上のグラスを掴み、目を大きく見開いてフリーズしている八坂さんの顔に思いきりワインをぶちまけた。

その滴が私の上にもポタポタと落ちてくる。

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