インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「へぇ……そうか、教会か。そういう式の挙げ方もあるんだな」

私とブライダルサロンに行っていろいろ話を聞いた影響なのか、結婚なんてめんどくさいと言っていた尚史も結婚式に少し興味が湧いてきたらしい。

やっぱり谷口さんと付き合ってゆくゆくは結婚を……なんて考えているのかな。

そういえば昨日のことをいろいろと聞きそびれたままだ。

だけど私が先に話さないと言わないと尚史は言っていたし、私は言いかけてやめたことを尚史に話す気はないから、この先も詳しく聞くことはできないかも知れない。

病室に入ると、光子おばあちゃんはベッドの上に座ってニコニコ笑っていた。

「光子おばあちゃん、ご機嫌だね。何かいいことでもあったの?」

私がそばに行って尋ねると、光子おばあちゃんは笑顔でうなずいた。

「今日はモモちゃんが幼馴染みの尚史くんを連れて来てくれるって久美子さんから連絡もらったからね、教えてあげたら早く会いたいって楽しみに待ってたのよ」

伯母さんがそう言うと、尚史は伯母さんに「はじめまして」と頭を下げてから、光子おばあちゃんに近付いて腰をかがめた。

「おばあちゃん、久しぶり。俺のこと覚えてる?」

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