インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「尚史……あんまり長居すると光子おばあちゃん疲れちゃうから、とりあえず今日は帰ろう……」
これ以上嘘の上塗りをするのがためらわれて、尚史に帰ろうと促した。
「ああ、そうだな。それじゃおばあちゃん、俺たちそろそろ帰るからゆっくり休んで。おやつ食べ過ぎたらダメだよ」
「ありがとねぇ」
尚史は光子おばあちゃんの体を支え、ゆっくりとベッドに横にならせた。
光子おばあちゃんは嬉しそうに笑っている。
尚史と母と一緒に病室を出ようとすると、ベッドに横になった光子おばあちゃんが「モモちゃん」と私を呼び止めた。
「おばあちゃんねぇ、モモちゃんと尚史くんの結婚式に出るのが昔からの夢だったんだよ。今日は二人そろって来てくれてありがとねぇ」
……そうか、そういうことだったのか。
光子おばあちゃんは昔から私と尚史に一緒になって欲しいと思ってたんだ。
子どもの頃の仲睦まじい私たちの姿を見ていて生まれた小さな願望が20年近くもずっと心に残っていたから、認知症になってからは蘇った遠い記憶と願望が交錯して、もうすぐ私と尚史が結婚すると思い込んでしまったのかも知れない。
これ以上嘘の上塗りをするのがためらわれて、尚史に帰ろうと促した。
「ああ、そうだな。それじゃおばあちゃん、俺たちそろそろ帰るからゆっくり休んで。おやつ食べ過ぎたらダメだよ」
「ありがとねぇ」
尚史は光子おばあちゃんの体を支え、ゆっくりとベッドに横にならせた。
光子おばあちゃんは嬉しそうに笑っている。
尚史と母と一緒に病室を出ようとすると、ベッドに横になった光子おばあちゃんが「モモちゃん」と私を呼び止めた。
「おばあちゃんねぇ、モモちゃんと尚史くんの結婚式に出るのが昔からの夢だったんだよ。今日は二人そろって来てくれてありがとねぇ」
……そうか、そういうことだったのか。
光子おばあちゃんは昔から私と尚史に一緒になって欲しいと思ってたんだ。
子どもの頃の仲睦まじい私たちの姿を見ていて生まれた小さな願望が20年近くもずっと心に残っていたから、認知症になってからは蘇った遠い記憶と願望が交錯して、もうすぐ私と尚史が結婚すると思い込んでしまったのかも知れない。