インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「嬉しいわ、洋子ちゃんのアップルパイ美味しいのよねぇ。もちろんモモも行くでしょ?」

「えっ?ああ、うん……」

本当は一人になっていろいろ考えたかったけれど、私も洋子ママのアップルパイは大好物だし、きっと一人で考えても答えは出ないからおじゃますることにした。

アップルパイをいただいたあとは、今後のことを尚史とちゃんと話さなければ。


尚史の家に着くと、甘酸っぱいリンゴと香ばしいバターの香りが家中に漂っていた。

小さい頃から大好きな、洋子ママお手製のアップルパイの香りだ。

リビングでは洋子ママがアップルパイを切り分けていた。

「おかえりなさい、ちょうどアップルパイが焼けたところよ。お昼はもう済んだの?」

「まだ。腹減った」

洋子ママの問い掛けに、尚史は水を飲みながら答える。

「じゃあ先にお昼御飯ね。今用意するから座ってて」

少し遅い昼食に、洋子ママの実家から送ってきたという野菜をたっぷり使ったパスタとスープをいただいた。

食事が済むと母は洋子ママが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、洋子ママに光子おばあちゃんの様子を詳しく話して聞かせた。

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