インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
心底困り果てた様子の尚史を見ていると、一方的にキレてしまったことが申し訳なくなってきた。

今ここでちゃんと問題を解決しておかないと、ずっと気まずくなりそうな気がする。

理由はどうあれ、尚史の厚意を無下にして傷付けてしまったことは謝らなければ。

「ごめん、尚史。結婚指輪をするのがイヤとか、尚史のことがイヤになったとか、そんなんじゃないんだけど……なんかものすごく腹が立って……」

どうにかして今の気持ちを伝えようと、心の中を手探りでかき集めた言葉を繋ぎ合わせて声に出すと、尚史はおもむろに顔を上げて私を見た。

「……ホントに?」

「ホントに」

「俺のことイヤになってない?」

「なるわけないじゃん」

「良かった……。俺、モモに嫌われたのかと思った」

ホッとして笑う尚史はいつもより無防備で、一言で言うなら『可愛い』とか『愛らしい』とか……いや、違うな。

ぴったりな言葉を探して頭をぐるぐるさせていると、尚史が私の手をそっと握った。

「俺さ……今日はモモと普通のデートがしてみたかったんだ」

「普通のデート……?でもなんで急に?」

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