インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
尚史は笑いながら私から手を離し、着替えを済ませて1階に下りていった。

私は一人になってもしばらくは動悸がおさまらず、何度も大きく深呼吸をして、顔の火照りを抑えようと両手でパタパタ扇いだ。

私が知らなかっただけで、尚史はいつの間にか、体だけでなく中身もすっかり大人の男になっていたらしい。

幼馴染みとしては長い付き合いだけど、交際期間0日で結婚したばかりだから、次々と明かされる尚史の本性に私は目一杯戸惑っている。

仮想カップルのときも尚史の甘さには戸惑いと驚きの連続だったけれど、結婚してお互いの気持ちを確かめあった今とあのときでは、状況が全然違う。

結婚した途端、エロまで全開になるのか……?

これは食い尽くされるのも時間の問題だ。


両親にニヤニヤされながら朝食を済ませ、尚史の家の車で光子おばあちゃんの病院へ向かった。

「おばあちゃんに会う前に、結婚指輪を買いたかったんだけどな。俺たちが結婚したんだってわかりやすいだろ?」

「……ごめん、わがまま言って」

「いや、俺は嬉しかったよ?モモの本音も聞けたし、おまけにヤキモチ焼いてくれたし」

「恥ずかしいから、それはもう言わないで」

私が少し唇を尖らせてそう言うと、尚史は楽しそうに笑った。

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