インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「ぜひお願いします」

先生に深々と頭を下げたあと、尚史は私の方を向いてニッと笑った。


それから病院を出て車に乗り、昼食を取るために近くのファミレスに入った。

私も尚史もハンバーグランチプレートのドリンクセットを注文して、ドリンクバーでグラスに注いだ飲み物を飲みながら一息つく。

「それにしても……よくあんなの思い付いたね」

「ああ、ロビーで挙式のこと?」

「うん、私は結婚式って言ったら結婚式場で挙げるものだと思ってたから、尚史の発想にビックリした」

「敷地内の教会で結婚式を挙げた医者と看護師がいるって言ってたから、最初はそこもアリだと思ってたんだけど、それも難しいって先生が言ったから。先週お見舞いに来たときにロビーのステンドグラス見て、でっかい教会みたいだと思ってさ。ロビーで式を挙げたりもできるのかなーって考えてた」

確かに先週の土曜日にお見舞いに来たとき、尚史はステンドグラスを見て教会みたいだと言っていた。

その時点で私たちはまだ結婚することにはなっていなかったけど、尚史は絶対に私と結婚するつもりでいたと言うことなんだろう。

ずっと幼馴染みだった私たちが、光子おばあちゃんの思い込みの一言でその日のうちに結婚することになって、翌日には入籍したのだから、人生って本当に何が起こるかわからない。

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