インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
そんなにソワソワして、何を期待しているんだか。

わざとらしく『似合うのあった?』だと?

尚史は背が高くて手足も長くて、それになんと言っても顔立ちが整っているから、どのタキシードを着てもとても似合っていて、うっかり見とれてしまいそうになったと言うのに!

そんな見目麗しい尚史の隣に、童顔でちんちくりんの私なんぞが並んでいいのかと気後れしてしまう。

尚史は見た目がいいと前からずっとわかっていたつもりなのに、私自身が尚史を好きだと自覚したせいなのか、以前よりずっと尚史がカッコ良く見えてしまうから不思議だ。

これが恋愛フィルターってやつなのか。

「似合ってたよ。背が高いとああいう衣装も映えるからうらやましい」

見たままを正直に答えたけれど、尚史はなんだか少し不満そうだ。

「ふーん、それだけ?」

「それだけ?って言われても……」

「俺はドレス着たモモ見て惚れ直したんだけどな。『さすが俺の嫁!超絶可愛い!』って」

私だってタキシード姿の尚史を見てカッコいいとは思ったけれど、それを面と向かって言うのは照れくさいし、そもそも私はそんなことを言うようなタイプではない。

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