インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
そんなのはよくわかっているはずなのに、どうやら尚史は私に『尚史、超カッコ良かったよ♡だーい好き♡』と言わせたいらしい。

尚史は『カッコ良かったと早く言え』と目で催促してくる。

言わないといつまでも車を運転してくれそうにない。

「……カッコ良かったよ」

照れくさいので目をそらして小声でそう言うと、尚史はニヤニヤしながら私の顔を覗き込んだ。

「ホントに?惚れた?」

「うん、惚れた。……これでいい?」

「棒読みで言われてもなぁ……。まぁいいか、これからちゃんと心込めて言ってもらえるようになれば」

私は尚史みたいに、いきなり激甘カップルモードに切り替えられるほど器用ではないし、そんな自分はまったく想像がつかない。

あんまり期待されても困るんだけどな。

「じゃあそろそろ行くか。次は結婚指輪だな」

尚史はエンジンをかけて車を発進させた。

今朝ネットで調べているときに、良さそうな店を見つけたんだそうだ。

しばらくして、車は大きなショッピングモールに到着した。

車を降りると、尚史は当たり前のように手を繋ぐ。

慣れてきたとは言え、私はやっぱり今も少し照れくさいけれど、尚史は私と違って平気らしい。

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