インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私は尚史が選んだ3つの中から、尚史に一番似合いそうなものを選ぶことにした。

ペアになっている結婚指輪自体は二つともほとんどデザインが同じで、シンプルだけどスタイリッシュで、尚史の長い指に似合いそうだ。

この指輪を二人で着けるのだと思うと、ウキウキと言うかドキドキと言うか、少し胸の奥がくすぐったいような気もするけれど、なんだか嬉しくなってきた。

「これかな。尚史に似合いそう」

「俺よりモモが気に入るかの方が大事だよ?」

「私は尚史が選んでくれたのが一番だと思うから」

私が何気なくそう言うと、尚史はたちまち嬉しそうな顔をして、店員さんに向かってすごい勢いで「これください!」と叫んだ。

それがあまりにも大きな声だったので、店内にいた人たちが一斉にこちらを振り返る。

「尚史……声大きい……。みんな見てるよ」

「あっ、ごめん。でも今の、めっちゃ嬉しかったから、つい……」

こりゃダメだ。

完全なるバカップル認定を食らったな。

店員さんはニコニコ笑いながら、私たちのそんな様子を窺っている。

「ではこちらのリングでよろしいですか?」

「はい、お願いします!」

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