インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
尚史はうちわ代わりに、手元にあった賃貸住宅情報のフリーペーパーを私に握らせ、あわてて部屋を出て行った。

私は渡されたフリーペーパーで自分に風を送りながら、無意識のうちに尚史の飲みかけの缶ビールに手を伸ばす。

「酔ってないっちゅーの……。まだまだ飲み足りないぞぉ……」

独り言を呟きながらまたビールを飲んでいると、テーブルの下に青年向けの漫画雑誌を発見した。

これは尚史が毎週買っている雑誌だ。

巨乳のグラビアアイドルが表紙を飾っている。

表紙をめくると、巻頭グラビアで表紙を飾っていたセクシー系の巨乳グラドルが、面積の狭い水着でかなりきわどいポーズを決めていた。

このグラドル、スラッとしてウエストもしっかりくびれているのに、出るとこはしっかり出てボディーラインのメリハリがすごい。

童顔でちんちくりんの私とは正反対だ。

ご丁寧に袋とじまでしっかり開封しちゃって、尚史はこういう『ボンキュッボン』な女の子が好きなのか?

私を好きだと言いながら、妄想の中では巨乳のグラドルと乳くりあって、やらしいことをしているのでは?

人気グラドルと張り合う気はないけれど、尚史が鼻の下を伸ばしてこのグラビアを眺めていたのだと思うと、なんとなくムカつく。

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