インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
こんなに胸は大きくないけど、私だって、私だって……!

グラドルと同じポーズを取ってみたりして、一体なんの負けず嫌いだ。

どんなに両腕で寄せても、胸の大きさでは敵わないどころか、まったく歯がたたない。

だけど平面の巨乳より生身の貧乳の方が尊くないか?

いや、貧乳と言うほど貧しくもないぞ、私は。

絵に描いた餅より、目の前のモモだろう?

そんなことを考えながらグラビアを眺めつつビールを飲んでいると、さらに暑くなってきた。

こんなに暑いなんて、暖房でも入れてるのかな?

ちょっと扇いだくらいでは全然涼しくならない。

「モモ、水持って来たぞ」

「水よりビール」

空になった尚史のビールの缶を差し出すと、尚史はその缶とテーブルの上の空き缶を交互に見た。

「あっ、俺のまで飲むなよ、この酔っぱらい!とにかく水飲め、水!」

私は尚史に無理やり握らされたグラスの水を飲んで、眺めていた漫画雑誌を裏向きに閉じる。

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