インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「でもまだ暑い……。尚史ぃ、うちわはー?」

四つん這いになって近付くと、尚史はさらにじりじりと後ずさった。

「だあぁっ、とにかく早く乳しまえ!」

尚史は顔をそむけながら、拾い上げたワンピースを私に差し出す。

グラドルの巨乳を見慣れているから、私の貧相な体なんか見たくないってか?

好みとはかけ離れた私の薄い胸になんて尚史はまったく興味はないだろうし、小さい頃は一緒にお風呂にも入った仲なんだから、いまさら私が服を脱いだくらいどうってことないだろうに。

私は差し出されたワンピースをつかんで放り投げ、尚史の膝の上に乗り上げた。

「だから暑いんだってばぁ……。尚史は暑くないのー?」

「俺は暑くないから!」

「嘘だぁ、この部屋めちゃめちゃ暑いもん。尚史も脱いじゃえばぁ?」

「はぁっ?!何言って……!」

うろたえる尚史のTシャツの裾をつかみ、一気にまくし上げて勢いよく脱がせた。

その勢いで尚史のTシャツが部屋の隅に飛んでいく。

超インドア派のゲーマーのくせに、どうしてこんなにほどよく引き締まっているんだろう?

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