インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「うん、ドレスにしたよ」

「いいなぁ……。女子ならやっぱり憧れますよね、ウエディングドレス……。式はどこで挙げるんですか?」

「結婚式場とかではなくてね。私のおばあちゃんが入院してる病院のロビーで挙げることにしたんだ」

「えっ、病院のロビーでですか?!」

谷口さんは大きな目をさらに大きく見開いた。

病院のロビーで結婚式を挙げるなんて聞かされたら、そりゃあ誰だって驚くだろう。

尚史の発想には当事者の私でさえ驚かされたのだから。

「キリスト教系の病院で、ロビーのステンドグラスがすごくきれいなの。私のおばあちゃんが、私たちの結婚式に出席するのを楽しみにしてるんだけど、外出は難しい状態でね。でもそこなら大丈夫だって、主治医の先生からも許可が下りたから。身内と極親しい友人だけを呼んで、こぢんまりとね」

「披露宴とかもしないんですか?」

「うん、そのつもり」

谷口さんはおそらく、結婚式や披露宴の準備の話をいろいろ聞きたかったんだと思う。

思い描いていたような盛大な結婚式ではないからか、かなり拍子抜けしているようだ。

それとは逆に、キヨはなるほどと言うような顔をして大きくうなずく。

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