インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
間違いない、やっぱり同志だ!

私たちはお互いの両手を固く握りしめ、見つめ合って大きくうなずいた。

「まさか谷口さんが同志だったとは……」

「私もビックリです!」

「まずは盃を交わそう、友よ」

「御意」

二人で高々とグラスを掲げ乾杯すると、キヨはカウンター越しに私と谷口さんを不思議そうに見ていた。

「なになに?二人、激しく意気投合しちゃった感じ?」

「こんな身近なところに同志がいた」

「同志って?」

「谷口さんもこちら側の人間ってこと。たぶん朝まで漫画について語り合える」

キヨは私の言葉を聞いて、谷口さんも漫画ヲタクなのだと理解したようだ。

「ああ……そういうことか」

「そういうこと」

「そういうことです!」

話してみると谷口さんは筋金入りの漫画ヲタクで、休みの日は好きな漫画の舞台になった街を訪れる『聖地巡礼』を一人でじっくり楽しむのだそうだ。

またしても私は『人は見掛けによらない』と改めて思う。

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