インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
こうと決めたら突き進むのみの、猪猛突進型お嬢様……?

「リナっち……結婚相手を顔だけで選ぶのは絶対にやめといた方がいいよ。ちゃんと相手の内面も見極めてね」

どの口が言うかと言われそうだけど、これもひとつの『経験者は語る』だと思う。

私だって結婚を焦るあまり、八坂さんの毒牙にかかりそうになったのだから。

だけどリナっちは私の心配をよそに、ケラケラと笑ってビールを飲んだ。

「そんなの当たり前です。一番は人間性とか仕事の出来具合ですよ!見た目が好みだと思ったら、その辺はしっかり調べますのでご心配なく」

「ってことはさ……尚史のことも調べたの?」

尚史には聞こえないように、耳元に顔を近付けて小声で尋ねると、リナっちは大きくうなずいた。

「もちろんです。中森さん、この若さでSE課の課長ですよ?部署の人数が少ないとは言え、それだけの能力を持っていることが会社に認められているって言うことです!」

え?ちょっと待って。

聞いたことなかったから知らなかったけど、尚史って課長だったの?

課長なのにほぼ毎日定時で帰れるって、どんだけ有能なの?

リナっちが知っていたのに妻の私が知らないなんておかしくない?

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