インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
『絶対に浮気はしない』と言い掛けたけれど、また地雷になりそうだと気付いてやめる。

「う……?って何?」

私が言い掛けたことを途中でやめたので、尚史は怪訝な顔をしている。

何か別のことを考えなきゃ!

う……う……う……。

「うちの中でも歩きスマホは禁止!」

苦し紛れにかなり妙なことを言ってしまった。

尚史は不思議そうに首をかしげる。

「歩きスマホ禁止?」

「そうだよ、外じゃなくても歩きスマホは危ないからね!」

「ああ、うん……」

絶対にこれ、変だと思ってるよね?

これ以上ごまかせそうもないし、変に突っ込まれるのも面倒だ。

外に出て気をそらして、どうにか忘れてもらおう。

「ねぇ、そろそろお腹空かない?どこかでお昼御飯食べてから買い物に行こうよ。買い忘れたものとか食料品とか調味料とか、買わなきゃいけないものいろいろあるでしょ?」

「そうか、米もなんにもないもんな」

「あっ、お米を量るのに計量カップも買わないと!」

「じゃあ行くか」

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