インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「私とはしたくないなら一生しなくていい」
「モモとはしたくないとか、そういう意味じゃなくて……!」
「尚史はきっと今だって、その気になれば水野さんでも誰とでもできると思うから、好きにすればいいよ。だけどもう二度と私に触らないで」
尚史の顔も見ずに吐き捨てるようにそう言って、ふらつく足取りで趣味のお宝を収納する予定の部屋へ入り、大きな音をたててドアを閉めた。
漫画もゲームもフィギュアもまだ運び込んでいない部屋には、空っぽの大きな本棚と飾り棚だけが並んでいる。
私は部屋の真ん中に寝そべって天井を見上げた。
ハッキリしない尚史の態度に腹が立って、おまけに尚史に拒まれたことがあまりにもショック過ぎて、酔いに任せて思ってもいないひどい言葉を吐いてしまった。
尚史は長い間ずっと片想いしてきた私を美化して、私に『可愛いモモ』の幻想を抱いてきただろうから、きっと私がこんなに可愛くないとは思わなかったはずだ。
この扉の向こうで、尚史は『結婚した途端に可愛げの欠片もなくなった気の強いモモ』にがっかりしているかも知れない。
「愛想つかされちゃったかなぁ……」
寝返りを打つと、こぼれた涙が床にポタポタと落ちる。
「モモとはしたくないとか、そういう意味じゃなくて……!」
「尚史はきっと今だって、その気になれば水野さんでも誰とでもできると思うから、好きにすればいいよ。だけどもう二度と私に触らないで」
尚史の顔も見ずに吐き捨てるようにそう言って、ふらつく足取りで趣味のお宝を収納する予定の部屋へ入り、大きな音をたててドアを閉めた。
漫画もゲームもフィギュアもまだ運び込んでいない部屋には、空っぽの大きな本棚と飾り棚だけが並んでいる。
私は部屋の真ん中に寝そべって天井を見上げた。
ハッキリしない尚史の態度に腹が立って、おまけに尚史に拒まれたことがあまりにもショック過ぎて、酔いに任せて思ってもいないひどい言葉を吐いてしまった。
尚史は長い間ずっと片想いしてきた私を美化して、私に『可愛いモモ』の幻想を抱いてきただろうから、きっと私がこんなに可愛くないとは思わなかったはずだ。
この扉の向こうで、尚史は『結婚した途端に可愛げの欠片もなくなった気の強いモモ』にがっかりしているかも知れない。
「愛想つかされちゃったかなぁ……」
寝返りを打つと、こぼれた涙が床にポタポタと落ちる。