インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
その後、別の人からのストーカー被害を受けて恐怖を味わったり、同僚の奥さんから不倫を疑われて揉めたりと散々だったらしい。
心身ともに参っていたところに海外赴任の話が持ち上がり、新天地で頑張るつもりだと言っていたそうだ。
『彼のことはまだ完全には立ち直れてないけど、私が悪いんだからあきらめるしかないよね。あのときヒサが私のことを好きになってくれてたら、一緒に幸せになれたのかなって今でもときどき考えたりもするけど、自分が過去にしてきたことのバチが当たったんだと思う』と水野さんは言ったらしい。
自業自得と言えば自業自得だ。
水野さんもそれをわかっているから、いまさらでも尚史に謝ろうと思ったんだろう。
「水野は今日の朝にはイタリアの新しい赴任先に向かったはずだよ。ここにはもう来ないし、二人には二度と関わらないって。だから尚史とモモさんに謝っておいて欲しいって言われた。尚史のことが本気で好きだったから、本当は笑って『お幸せに』って言いたかったんだってさ」
「だったら最初から素直にそう言えばいいのに……」
尚史は少しつらそうにそう言ってビールを飲み干した。
きっと私と間違えて水野さんと関係を持ってしまった自分を責めているんだと思う。
心身ともに参っていたところに海外赴任の話が持ち上がり、新天地で頑張るつもりだと言っていたそうだ。
『彼のことはまだ完全には立ち直れてないけど、私が悪いんだからあきらめるしかないよね。あのときヒサが私のことを好きになってくれてたら、一緒に幸せになれたのかなって今でもときどき考えたりもするけど、自分が過去にしてきたことのバチが当たったんだと思う』と水野さんは言ったらしい。
自業自得と言えば自業自得だ。
水野さんもそれをわかっているから、いまさらでも尚史に謝ろうと思ったんだろう。
「水野は今日の朝にはイタリアの新しい赴任先に向かったはずだよ。ここにはもう来ないし、二人には二度と関わらないって。だから尚史とモモさんに謝っておいて欲しいって言われた。尚史のことが本気で好きだったから、本当は笑って『お幸せに』って言いたかったんだってさ」
「だったら最初から素直にそう言えばいいのに……」
尚史は少しつらそうにそう言ってビールを飲み干した。
きっと私と間違えて水野さんと関係を持ってしまった自分を責めているんだと思う。