インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
あまりたくさん食べ過ぎて眠くなっても仕事に差し障るけれど、尚史はたくさん食べるから、これで量が足りるかの方が心配だ。

念のためタマゴサンドを追加して、眠気覚ましのミントタブレットとキャンディーを入れておこうか。

レジ横のホットスナックを適当に選び、おつかい分の会計をアキちゃんが済ませた。

私は隣のレジで鶏の唐揚げを注文して、尚史用の差し入れの代金を自分の財布から支払い、重い荷物を手に急ぎ足でオフィスに戻った。

全員に夜食が行き渡ると、「思ったより順調に進んだし、あまり根を詰めすぎても効率が下がるだけだから、30分ほど食事休憩を取ろう」と課長が言った。

私はデスクの引き出しからミニトートバッグを取り出し、自分の夜食と尚史の差し入れを入れて立ち上がる。

アキちゃんはお茶のペットボトルのキャップを開けながら、チラッと私を見上げた。

「差し入れに行ってきます?」

「うん……会えるかわからないけど、明日のことも少し話しておきたいし、ちょっと行ってみる」

「誰かに聞かれたら『大事な用があって外で電話してる』とでも言っておきますから、しっかり充電してきてください」

「ありがとう」

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