インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私は女子としては人並み以下のヲタクだし、特に美人でもなくなんの取り柄もないから、今は好きだと言ってもらえても、いつか尚史に飽きられてしまうのではないかと、また少し不安になる。

「尚史ってさ……会社でもやっぱりモテるの?」

私がためらいがちに尋ねると、尚史はタマゴサンドの包みを開ける手を止めて、不思議そうに私を見た。

「さぁ?それは俺が評価することじゃないけど、俺の部署は男ばっかりだし、他の部署の女子と業務上のやり取りはあっても気にしたことはないなぁ」

「ふーん……」

そうだった、尚史はモテるという自覚がないんだ。

この若さで課長という役職に就き、しかもこの容姿なんだから、モテないはずはない。

たまにエレベーターで一緒になる尚史の会社の女子はきれいな人が多いことを思い出し、尚史が気付いていないだけで想いを寄せてアプローチしている人がいるんじゃないかと、猛烈に心配になってきた。

「なに?心配?俺が浮気するとでも?」

尚史はニヤニヤしながら私の顔を覗き込む。

これは完全に面白がっている……いや、喜んでいる顔だ。

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