インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
私がヤキモチを焼くと嬉しいとか、前に言ってたもんな。

こんな風に言われるのはなんだか悔しい。

「別に。どうなのかなぁと思っただけ」

「ふーん?そっか。あ……そう言えば、この間経理部の女の子に食事に誘われた」

「えっ?!」

「総務部の子と営業事務の子と……いちいち全部覚えてないけど、映画とか食事とかライブとか、いろいろ誘われたっけ。教えてもないのに誕生日のお祝いをしたいからホテルでディナーしませんかって言ってきた子もいたなぁ……」

何が『さぁ?』だ!

これのどこが業務上のやり取りだ!

めちゃくちゃモテとるやないか!

ここは女たちの戦場か?!

動揺を隠せずおにぎりに噛みついて御飯粒をポロポロこぼす私を、尚史は楽しそうに眺めている。

「ずいぶんおモテになるんですのね……」

私が歯を食い縛りながら呟くと、尚史は私の口元についた御飯粒を指先でつまんで、自分の口に運んだ。

「心配しなくたって、誰に何を言われても絶対に断るし、浮気はしない。俺が好きなのはモモだけだから」

「……絶対に?」

「絶対に」

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