インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
尚史は少し困った顔をして、私が手に持っていたおにぎりをはがした包みの上に置き、長い腕で私の体を包み込むように抱きしめた。

「なんで?って言われても、好きなものは好きなんだよ。負けず嫌いなとこも、意地っ張りでなかなか素直になれないとこも、自分に自信がないとこも、世話焼きで優しいとこも、無自覚で俺を煽るとこも、顔も声も体も……俺はとにかく、モモの全部が好き。どうしようもないくらい好きで、可愛くてたまらない」

私の長所をちゃんと見つけてくれて、私自身がしょっちゅう滅入っている短所までわかった上で好きでいてくれるなんて、尚史の私への愛情はどこまで深いんだろう?

私ももっと尚史のいいところを見つけたいし、他の人には見せない顔を、私だけが知っていたい。

いつの間にか私は、尚史が心変わりすることを不安に思ったり、独占欲メーターが振り切れてしまうほどに尚史のことを好きになっているんだ。

尚史と一緒にいられて、本当に幸せ……。

尚史の腕に抱かれながらそんなことを考えていると、尚史が私の首筋にキスをした。

私は突然のことにビックリして「うひゃあ」と妙な声をあげてしまう。

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