インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
尚史の少し荒い息遣いと、こんな場所でイケナイことをしている背徳感で、体がいつもより過剰に反応しているのが自分でもわかった。

まずいな……。

ここでは思いきり抱き合ってお互いの体を満たすことなんてできないのに、今こんなことをされたら、このあとの仕事に身が入らないのは目に見えている。

「尚史……これ、ちょっと……じゃない……」

「んー……ごめん、モモが可愛すぎて……」

「私もこのあとまだ仕事があるから、もうこれくらいにしてくれる……?」

「それもそうだな。メシもまだ済んでないし」

野獣と化しそうになった尚史をなんとか抑制して、乱れた髪や衣服を整え、食べかけのおにぎりに手を伸ばした。

やれやれ、危ないとこだった。

あのままうっかり尚史のペースに巻き込まれていたら、TL(ティーンズラブ)漫画でよくある秘密の社内恋愛のラブシーン……いや、ラブシーンなんてかわいいもんじゃないな。

ファンタジーかと見まがうほどの、現実離れしたエロシーンに突入していただろう。

「ヘンなこと聞くけど……尚史って性欲強いの?」

「別に普通だと思うけど?」

「成人男性の性欲って、普通でそんな感じ?」

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