インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
寝過ごす方が怖いし、このまま起きていようかと思ったけど、尚史は軽々と私を抱き上げてベッドに運ぶ。

「モモは仕事で疲れてるんだから、少しでも休まないと」

「それを言ったら尚史の方が疲れてるでしょ?」

「俺は大丈夫だって。でも今日はモモが主役だからな。花嫁さんは幸せそうに笑ってないと。疲れた顔してると、おばあちゃんもモモの両親も心配するだろ?」

尚史は私だけでなく、両親や光子おばあちゃんのことまで気遣ってくれているんだと思うと、その優しさが嬉しくて、誰よりも私を想ってくれる尚史がたまらなく愛しくて、私は腕をいっぱいに伸ばして尚史の広い背中を抱きしめる。

「ありがと……。私、尚史のそういうとこ大好き」

「んん?やけに素直だなぁ……。さては俺がいなくて、寂しくて眠れなかったんだろ?」

冗談混じりに図星を突かれて照れくさくなり、赤くなった頬を隠すように尚史の胸に顔をうずめてうなずくと、尚史は私の隣で枕に頬杖をついて横になった。

「今7時前か……。あと3時間くらいは眠れるな。じゃあ風呂は起きてからにして、俺もモモと一緒に少し寝る」

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