インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
相手が私だからというのは、相手を知ると言うめんどくさいプロセスがないからってことか。

おそらく私も相手が尚史でなければ丁重にお断りしていただろう。

「私もあんな事情がなかったら結婚なんて考えないだろうし、こんなこと誰にも頼まないけどね」

「結婚なぁ……。そういえばモモ、光子ばあちゃんを結婚式に招待したいんだよな?」

「うん」

「どこで式挙げるつもりか知らないけど……予約とかしとかなくて大丈夫なのか?」

予約しようにも相手が決まってもいないのにできるわけがない。

式場予約をするために、まずは相手を見つけて結婚の約束をしなければいけないのだ。

「まさか一人で式場に行って、“相手はまだ決まってないけどこの日に挙式したいから予約します”とは言えないでしょ?」

「でも結婚式の半年くらい前から式場予約して準備したって、うちの課の先輩が言ってたけど」

「えっ……半年前?!」

なんてことだ。

結婚式場の予約って、そんなに前からするものなのか!

「光子おばあちゃん……私の結婚式のためになんとか頑張ってくれるかな?」

「そりゃ病気が治ってもっともっと長生きしてくれたら一番だけど……そればっかりはなんとも言えんな」

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