インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「いや、それ全然当たり前なんかじゃないでしょ?たまたま尚史の付き合ってきた女の子たちがそんなタイプだっただけだと思うよ?カップルによっていろいろだとは思うけど……私はおごってもらって当たり前とは思わないな」

「そうか。じゃあモモの言う通りにする。付き合うとそんなもんなのかなと俺は思ってたから、モモは俺が本物の彼氏じゃないから遠慮してんのかなとか、俺と一緒に飯食うのなんてデートじゃないって思ってるから払うのかなーって」

なんだ、尚史も私と同じようなことを考えていたんだ。

だからさっき、『今は俺がモモの彼氏』なんて言ったのかも知れない。

そもそも尚史は私のためにこの『仮想カップル作戦』に厚意で協力してくれているのだ。

必死で頑張るべきなのは私の方であって、尚史が無理してまで頑張る必要なんてどこにもない。

そんな尚史が幼馴染みの私を『彼女』だと認識しているのだから、私も『彼女』の自覚を持ち、尚史のことをもっと意識して『彼氏』扱いするべきなのでは?

そう、今の私たちは『幼馴染み』ではなく『カップル』なのだ。

……期間限定の仮想だけど。

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