インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
まさか尚史がそんなことを言い出すとは思わなかったけど……いろいろって何……?

漫画の中でしか知識を得られなかった、私の経験のないカップルのあれやこれやが頭の中を駆け巡って、目の前がチカチカしてきた。

私……尚史とイチャイチャとかベタベタとかするの?

その流れで『実技の練習』と称して、とても口には出せないような卑猥なことを私にしようなんてことは……。

いやいや……一線を超えるのはナシだってキヨも言ってたし、尚史に限ってそんなことは思ってないよね?

だけど一応尚史だって大人の男だから、どこでタガが外れて豹変するかわからないし、雰囲気に流されて気が付けば事後……なんてこともまったくないとは言い切れない。

私はもしかしたら、男性への苦手意識を克服するために始めた仮想カップル作戦の途中で、あえなく力尽きてしまうかも知れない。

予測不能のクエストに我が身を投じることへの不安を募らせていると、尚史が肘で軽く私の腕を小突いた。

「そんなに心配しなくても、俺はモモがいやがるようなことは絶対にしないから」

「……だよね……。お手柔らかにお願いします……」

どうやら『仮想カップル作戦』は、勇者尚史のリードで先を急ぎながら進むようだ。

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