雨上がりの恋
「お!きたきた」

頼人のテンションが一気に上がり、それにつられるように私のテンションも湯気とともに上にあがる。

「焼きたて!早く食べたーい。」

お互いに本気の喧嘩をしているわけではないので、こんな流れもいつもの事。

「じゃあ、改めて…」

軽くグラスだけを合わせようとした千秋に頼人の「ちょっと待った」が入った。

「今夜は失恋した美優が次の恋へ進むための門出の会だろ」

ニヤリと口角を上げて悪い顔をした頼人が私をチラリと流し見た。

イケメンは悪い顔をしていても間違いなく腹が立つくらいイケメンなんだけど、私の目にはなんとも憎らしい男に見えて仕方ない。

「だから…もう男は懲り懲りなんだって!」

「はいはい、じゃ美優もグラスだしてー」
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