W Love ダブルラブ~イケメン双子に翻弄されて~
抱き締められ、ふうっと息を吐いた静香は意を決したように梗月の背中に腕を回し言った。

「梗月さん、もう一つ、言ってなかったことがあるんです…」

「え?まだあるの?」

思わず顔を見ようと梗月が離れようとしたら静香はギュッと腕に力を込めた。

「そのまま、聞いてください」

「…」

顔を見ながら言うのは怖い…。
静香が震えているのに気付いた梗月は再び静香を抱きしめた。

「梗月さん、私、お腹に赤ちゃんがいます」

「えっ!?」

また離れようとした梗月に静香はひしっとしがみ付いた。

「…静香?」

「8週目になるそうです。約2カ月前…できた頃を考えると本郷邸に行ったときだと思うんです。梗月さんとの子だと思いたい…でも、もし涼月さんの子だったらと思うと、言えませんでした…。」

う、ううっと涙が込み上げ嗚咽を漏らす静香をぎゅっと梗月は抱きしめた。

「何言ってるんだ静香。君のお腹の子は僕の子だ。涼月の子なんて決してない。正真正銘君と僕の子だ」

「うう、梗月さん、でも…」

腕を緩める静香をゆっくりと離して顔を覗き込む。
不安そうに瞳を揺らす静香に眉を顰めて再び両手で頬を包む。

「そんな大事なことを黙っていたなんて、やっぱり静香にはお仕置きが必要だな?おかげで嬉しさも半減だよ」

「ご、ごめんなさい!」

目を瞑りしきりに謝る静香の顔を上げさせた梗月はにっこり笑った。

「嘘だよ。静香…」

そう言って静香のお腹に手を当てた。

「ここに僕の子がいるんだな…、僕が父親になるのか…嬉しいよ。この子の為にも今すぐ結婚しよう?」

「梗月さん…嬉しい…でも、いいんですか?もし万が一…」

静香が言い掛けるといつかのように人差し指が唇を止める。

「静香、その先は言わせない。この子は僕の子だ、絶対に。それに、君は涼月とは何もなかったよ」

「え?でも…」

突然涼月とは何もなかったと言われ混乱する静香。
でも、あの時確かに涼月は愛し合ったと言っていた。
それになんで梗月が自信ありげにそんなことを言うのか静香にはわからない。

「嘘だと思うのなら明日聞いてみるといい。涼月たちが来ることになっている」

「え?明日涼月さん来るんですか?」

「ああ。まずは、今日は帰ろう。立てるかい?」

差し伸べられた手を掴み立ち上がる

不安になりながらも家に帰った静香は涼月に会うのが少し怖かった。
浮かない顔をする静香をただギュッと抱きしめる梗月に甘えるように胸に顔をうずめた。


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